FX 投資がわかる
実験室レベルで何とか動いていても、実際に使用する環境では、全く動かないとい2争態に陥ってしまった。
モーターをまともに回せないのでは話にならない。
このソフト開発は出口の見えないトンネルに入ってしまった。
彼らは、先の見えない不安と戦いながら、必死に打開策を彼らは拡販活動をスタートさせた。
その結果は上々で顧客の評価は高く、いけるといった感じだった。
順調そうに見えた売り込みも、突然大きな壁に行く手を遮られた。
TIプロジェクトのメンバーは、額を突き合わせて、議論を重ねた。
さまざまな文献を読み漁った。
わからないところは大学の研究室を訪問して、専門家に聞いたりした。
「何とか出口が見えないか、光明は見出せないか」あせりと葛藤のまきに手探りといえる状態が何カ月も続いた。
しかし、メンバーたちは、不安にさいなまれながらも、絶対にものになると信じ、あるいは無理やりにでも思い込ませたりしながら、日夜開発を進め、その結果約2年の歳月をかけて、実際の商品へ採用が決まった。
この時、メンバー全員が心から喜びの声をあげた。
この2年余のことが、走馬灯のように思い出された。
みんなの顔に晴れがましい喜びと同時に、安堵の表情が浮かんだ。
「すぐに社長に報告しよう」と誰かが叫んだ。
電話の向こうから、Tの賞賛とねぎらいの言葉が流れてきた。
日本TIに限らず国内の会社が、このDSPのソフト開発を進めているが、製品が量産化きれたのはシロモノ家電で初めてのことだった。
実際に商品化されたソフトウエア開発を行った実績があるという事実は、K電子の技術の証明として、強力なセールストークになっている。
K電子創立35周年記念で、社員とその家族千百余名が南国の楽園「グァム」に大挙して押しかけた。
2003年10月の3連休のことだ。
社員の家族を集めて、一年の感謝と事業報告をかねて、毎年12月にやっていたファミリークリスマスパーティーの35周年記念の特別版だ。
宿泊は、大手マンションディベロッパーのLが所有するLリゾート・マネンガンヒルズ・グァムだ。
湖畔に翼を広げるように建てられたホテル「ベルヴェデーレがひときわ目立っている。
ラテン語で「美しい眺め」という意味の「ベルヴェデーレ」。
L21社長であるFの自信の作品だ。
JとAが設計したゴルフ場もある。
グァムに行くことになったのは、ある日、N新聞にL21がビデオ・オン・デマンドのシステム導入を検討しているという記事が載ったことが発端だった。
この記事を見たK電子の若い社員がいきなり社長室にやって来た。
社長室は、いつもオープンだ。
「社長、ちょっとよろしいでしょうか。
確か、社長はL21の深山社長をご存じでしたよね」「ああ、よく存じ上げているよ。
以前は、MDIとい会社で……」「ええ、今、L21といいます。
何とかご紹介していただけませんか」Tは会議がある度に、名刺を片手に、自分が会った人の話をしていた。
深山社長と中国にこういうメンバーで行ったという話をその社員が覚えていたのだ。
「おお、わかった。
今すぐ電話を入れてみる」電話をすると、深山は懐かしそうに、「Tさん、久しぶりだね。
ビデオ・オン・デマンドシステムの話かね。
ちょうど発注を考えていたので、すぐ来てよ」。
アポイントを取り、Tはその社員を連れて、すぐに深山を訪ねた。
「そんなビジネスをTさんのところでやっていたの」と言う。
「K電子がそんなことやってるんだったら、全部をK電子がコーディネートして、しっかりした形で頼むよ」ということで、一気に商売が始まった。
深山との出会いは天安門事件のあと中国に誰も行かなくなった時期だった。
N讃券が花園飯店を3百億円かけて造っていた。
当時のN証券社長のTは、「日本はかって中国にお世話になったのだから、その3百億円は、中国に恩返しのつもりでプレゼントしたと思って、細かいことは言うな」と当時の花園飯店の責任者に言ったという。
K電子の行動指針のFYTのYのキープャングは、T時代のN証券の影響だ。
キープャングと最初にN誼券で言ったのは、戦後初代社長のOだったというが、そのキープャング路線を後に鮮明に打ち出したのが、Tだった。
その後、Lの担当者とK電子の担当者が、ビデオ・オン・デマンドの打ち合わせをした。
「ところで、どんどんLを造っておられますけど、あの中に使われるレンジだ重ねていた。
観光客が行かなくなってしまったので、N請券が主幹事になっている取引先会社のトップに一回見てくれませんか、と声をかけた。
その中のメンバーにLの深山がいた。
団長はSのEで、それを縁に時々ゴルフをして、会食などを微笑みながら言う。
社員には、中国へ視察に行った時に、「こういう方とお会いしたよ。
例えば、レオパレスの深山さんともお付き合いはあるよ。
団長は、SのEさん」というようなことを事あるごとに話していたことが、Lとの仕事につながった。
「最近社内に指示しているのは、僕が毎日会っている人の名刺を全員が見られるよう、どこかに貼り付けるようにと言ってるんですよ、いつ会ったかも含めてね」「そうすると、うちの営業マンが、どんな人だろうな、と思う。
もしかしたら何年後かに連絡をとって取引させていただこうと考える社員がいるかもしれない。
近いうちにお伺いすることもあるかもしれない。
要はそういう雰囲気で年がら年中やっています」「たまたま大手のマンション業者さんとお付き合いしていたことが、まさかビジネスに発展するとは……。
本当に不思議ですね」ある日の新聞記事から、ビジネスと35周年記念の家族旅行が生まれ、社内の仕組みとしての名刺の効用がまた新たに遺伝子として加わった。
ただ、TIプロジェクトのSやTたちは、日本TIから技術表彰はきれたが、ビジネス的にはまだまだ道半ばである。
彼らはこの時、あらためて誓った。
ある程度、ソフトウエア技術は確立したが、このソフトウエアをさらに進化させる必要がある。
最も重要なことは、実際の幅広いビジネスに結びつける作業を、本格化させなければならないことだ。
それには、K電子の仲間たちの応援と協力が不可欠となる。
仲間たちの顔が浮かんだ。
「社歌は兄弟仁義だ」というTの笑顔も目に浮かんだ。
また、明日に向かってトライだ。
私は、K電子を多角的に考えていく中で、世界のエクセレントカンパニーであり、革新的な会社として著名なSとの共通性、近似性を非常に感じた。
同時に、このSの行き方や方向性の中に、K電子の遺伝子における進化の方向性と永続的成長への有力な手掛かりを見た。
Sは、P、Sといった身近な商品から、交通標識用の反射テープや外科手術用の使い捨てマスクのような産業資材まで、幅広く事業展開するMは1902年7月15日に設立された。
既に百年以上の歴史を持つ会社だ。
Sの企業遺伝子の継承と進化が何代にもわたって行われてきた。
個人においては、「15%ルール」「行動志向の文化」「11番目の戒律」「失敗の許容」「時間に対する忍耐の文化」が必須の遺伝子として存在する。
それらをK電子との関連で見てみよう。
まず「15%ルール」だ。
Sの社員は業務時間の15%を、自らのテーマの研究開発に使うことが認められている。
これは、職種に関係ない。
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